ちょっと普段とは毛色の違う話ですが、所有不動産記録証明制度というのを利用してみたのでそのレポート。
注:これは個人の体験であり、法務局による公式の見解を示すものではありません
所有不動産記録証明制度とは?
2026年2月にリリースされた、「ある人が持っている不動産の一覧を法務局で検索して一覧を出してくれるサービス」です。
誰でも取れるわけではなく、本人や相続人などに請求者は限定されています。
私は昨年父を亡くしていて、実際は既に相続登記を済ませているのですが、実は固定資産税の明細書に載っていないものがあったら困るということで念のための請求をしてみることにしました。
電子申請
所有不動産記録証明制度による申請方法は書面によるものと電子申請によるものがあります。今回は相続登記の時にも利用した電子申請を実施しました。
これにはWindows上で動作する「申請用総合ソフト」というのが必要で、ここで「所有不動産記録証明書交付請求書」というのを選択して請求書を作ります。
基本的に記入する内容はそんなに難しくなく、自分の情報、請求対象になる人(今回は父)の情報を入力します。
添付書類で悩む
ここで添付書類というもので悩みました。
法務省のページでは1~5が記載されています。

今回の私は相続人のため、この表から「(1)-1 印鑑証明書」または「(1)-2 本人確認書類の写し」と、「(3) 所有権の登記名義人との相続関係・承継関係を証する情報」が必要であることが分かります。
ただし(1)-2については※2により、電子請求の場合には使えないようです。(3)については※3から、相続登記の際に作成した法定相続情報一覧図があるので、その番号を入力すればよいです。
そうすると(1)-1 印鑑証明書を何とかする必要があるのですが、申請用総合ソフトの申請画面の添付情報欄を確認すると、「本請求では、特例方式により添付書類を提出することは許可されていません。」とあります。

特例法式というのは以下に説明がありますが、要するに紙ベースの添付書類について、電子申請ではPDF化して電子署名をしつつ、紙は直接法務局に提出する方式のことです。実際相続登記の際は遺産分割協議書、印鑑証明書など、いくつかの書類はこの特例方式を用いて速達送付しました。
この特例方式が今回利用できないということは、何とかして印鑑証明書を電子申請に付ける必要があることになってしまいます。
マイナンバーカードによる電子署名は印鑑証明書と法的に同等の効果を持つはずですが、それについての記載も特にありません。
聞いてみた
ということで、実際に申請書の提出先となる法務局の出張所に電話してみました。
すると「実はまだこの制度の利用実績がなくて分からないので、本局(法務省ではなく地方法務局の本局のこと)に聞いてもらえますか?」とのこと。まだ発足して2か月くらいなので実績がなかったようです。
そういうわけで本局に電話してみました。「基本的には申請書はマイナンバーカードで署名して送信することになり、これが本人確認になるため、印鑑証明書の提出は不要になるはず。でもこちらでも実績がないので、実際に申請をしてもらって審査の段階で法務省に確認して進めることになりそうです」とのこと。
どちらの担当者の方も非常に丁寧に応対していただき、大変助かりました。
そして申請
このような電話確認を行った後、実際に電子申請を行いました。
送信時刻は 2026/03/25 15:23。
2026/03/30には申請として問題ない旨の連絡をいただくとともに納付額(1,850円)を電子納付し、2026/04/01朝には簡易書留にて所有不動産記録証明書が配達されました。
これが実際に交付された証明書です。該当する不動産なしということで、漏れなく登記ができていたことが確認できました。
念のため墨消ししているのですが実は整理番号が1番となっていて、本当にこの法務局で1番目の申請者になれたようです。

いやーよかった。相続登記って人生でそう何度も起こることじゃないのでうまくいったかよくわからないところがあったりするんですが、これでまた少し詳しくなれた気がします。